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中小企業診断士の試験

中小企業診断士の試験
目次

中小企業診断士の試験

中小企業診断士の試験は学歴に関係なくだれでも受験することができます。仕事を進めていくうえでも学歴は関係ありません。
しかし専門の知識が要求されますから、経営についての知識は身に付ける必要が出てきます。この資格は経済産業大臣が試験機関として指定した一般社団法人中小企業診断協会が実施しています。年齢や学歴に関係なくだれでも受験することが可能になっています。

中小企業診断協会とは

当協会は、中小企業診断士相互の連携を緊密にし、資質の向上に努めるとともに、中小企業診断制度の推進と普及を図り、もって中小企業の振興と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とし、昭和29年(1954年)10月に設立されました。その後、中小企業支援法(昭和38年法律第147号)に基づく中小企業診断士試験を実施する指定機関として経済産業大臣の指定を受けています。また、中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則に基づき実務補習及び更新研修を実施する機関として経済産業大臣の登録を受けています。

中小企業診断協会について|一般社団法人 中小企業診断協会

中小企業診断協会は、47都道府県にそれぞれ設置されておりあらゆる地域のニーズに応えるための組織体制を備えています。

一次と二次の試験

中小企業診断士試験には一次と二次の試験があり、一次は中小企業診断士として必要な知識を持っているかどうかの判定を行います。一次合格の有効期間は、合格した年度とその翌年度の二年だけになりますから注意が必要になってきます。二次は診断士として必要な応用能力があるかどうかの判定を目的として行われます。

1次試験が8月の上旬に開催され、その4週間後に合格発表があります。それからさらに約7週間後が2次試験となりますので、1次試験の受験前からの勉強が必要です。

2次試験は筆記試験が10月下旬に開催され、中小企業の診断、助言に関する実務の事例についての試験を行われます。口述試験は筆記で相当の成績を収めた受験者を対象に実施されています。口述試験の合格率は99%を超えることがほとんどであり、きちんと指定された時間に来て聞かれたことに応えられれば合格は確実な試験です。

したがって中小企業診断士試験は、一次試験と二次試験の筆記試験が勝負どころとなります。

一次試験

一次は2日間にわたり科目は7科目にわたって行われます。弁護士・公認会計士・応用情報技術者などの資格を持っている人は一次科目の一部が免除されることになっています(※)。コンピュータ、簿記、法律と多岐にわたって幅広い知識が求められます。

※参考:中小企業診断士第1次試験他資格等保有による科目免除

合格ラインは、全て1科目100点満点で計算し、合計420点以上獲得することです。単純に割ると1科目60点以上になります。そして、もうひとつの条件は、40点未満の科目がないことです。

科目合格点60点を切った科目があっても他の科目で得点を余分に稼いでいけば、1次試験合格点の420点に達して合格することが可能です(40点未満の科目が1科目もないのが必須です)。むしろ毎年科目ごとの難易度に差があるため、全科目60点以上取ることの方が少ないです。

また、あまりに難しすぎる科目が出た場合は全受験生の当該科目の得点を底上げする得点調整が行われる場合があります。受験直後に自己採点して40点未満の科目があったとしても、諦めずに中小企業診断協会からのアナウンスを確認しましょう。

1次試験合格の鍵は、苦手科目を作らないことです。苦手科目を作らないことで、難易度の高かった科目での減点の影響を最小化し、難易度の低かった科目で余分に点数を稼ぐことで安定して合格点を確保できます。

もし苦手科目の難易度が高くなれば40点を切ってしまうリスクが高くなり、難易度が低くなれば稼ぎ所で得点が稼げなくなり全体の得点が伸びなくなります。

中小企業診断士試験1次試験の科目は以下の通りです(各科目名をタップで解説ページに飛びます)。

  • 企業経営理論|経営戦略論・組織論・マーケティング理論から成る科目です。2次試験においても事例Ⅰ、事例Ⅱで問われる科目であり、中小企業診断士試験の核となる科目と言ってよいでしょう。試験時間は90分です。1日目の昼食後に実施される科目である上、問題文の解釈に時間と労力がかかる科目でもあるため時間が足りなくならないよう注意が必要な科目です。
  • 財務・会計|アカウンティングとファイナンスから成る科目です。2次試験においても事例Ⅳで問われる重要な科目です。苦手意識を持つ受験生が多いため、得意分野にすることで他の受験生に差をつけることができます。また、高得点が狙いやすい科目でもあります。試験時間は60分で時間が不足しがちな科目でもあります。受験の際はタイムマネジメントを意識して行いましょう。
  • 運営管理|生産管理・販売管理から成る科目です。2次試験においても事例Ⅲで問われる科目であり、中小企業診断士試験の主要科目の一つです。試験時間は90分です。1日目の試験の最後である4科目目に受験する科目であるため、疲れた状態で受験しなければならない点でハードな科目でもあります。
  • 経済学・経済政策|主にミクロ経済・マクロ経済から成る科目です。非常に学問的な科目で方程式の問題や微分を使う問題があり、財務・会計と並んで苦手意識を持つ受験生が多い科目です。しかし出題パターンが概ね決まっているため、しっかり対策すれば高得点が狙える科目でもあります。試験時間は60分でこの科目もタイムマネジメントが必要になる科目です。問題の前半のミクロ経済には難度の高い問題が含まれる場合が多いため、比較的点の取りやすい後半のマクロ経済の問題から先に着手する方が無難です。
  • 経営情報システム|情報技術に関する基礎知識、経営情報管理から成る科目です。ITエンジニアの方で応用情報技術者などの試験合格者であれば試験免除する方も多い科目です。知識問題であるため年度によって平均点の変動が大きく、易化した年であれば8割以上の高得点が取れることもありますが、難化した年ですと予備校のテキストに記載がない知識の出題が相次ぐことがあって平均点が4割台となることもあります。試験時間は60分ですがほとんどが知識問題であるため時間が不足することは少ないです。
  • 経営法務|主に民法・会社法・知的財産法から成る科目です。法律用語が非常に多く出てくるため、法律や暗記が苦手な人には難しい科目となっています。平均点が60点を超えることは非常に少ない難易度がやや高い科目です。従って経営法務の科目合格を狙うより、基本的な問題を落とさないようにしてできるだけ点数を落とさないようにし、他の科目で点を稼いで合格点に持っていくやり方が安全です。また法改正があった箇所は出題されやすくなるため、勉強の際は最新のテキスト・問題集を使用することが必要です。試験時間は60分。暗記科目のため時間は充分残りますが、法律科目独特の言い回しが読みにくくするため問題文の読み込みに時間がかかる方もいます。
  • 中小企業経営・中小企業政策|中小企業白書の統計情報と中小企業に関する政策から成る科目です。中小企業白書は毎年発表されるので、出題内容が変わります。従って中小企業経営・中小企業政策の科目も最新のテキスト・問題集を使って勉強しましょう。特に中小企業経営は暗記する数字などが多いため、暗記が苦手な方は学習期間を長めにとったり語呂合わせを作ったりして工夫しましょう。中小企業政策は比較的点が取りやすい分野なので、できるだけ点を稼げるように学習しておきましょう。試験時間は90分です。時間は充分余りますが、2日目の最後の科目であり自己採点用に問題用紙を回収したい人は途中退室しても試験終了までどこかで時間を潰す必要があります。

科目合格制

平成18年から1次試験に科目合格制が導入されました。

1次試験が不合格だった場合、60点以上の科目は科目合格となります。しかし、免除申請した科目は、60点として換算されますので、この科目申請免除をどうするか、という合格戦略が必要になります。

「得意・不得意」だけで決めがちですが、それに加え、「科目合格率」、「2次試験にも関連があるか」、「科目特性」などの観点を踏まえて総合的に判断しましょう。

一次合格の有効期間は合格をした年度と翌年度の二年間だけですから、一次に合格してから二次の勉強を始めるようでは遅くなってしまいます。一次の勉強と二次の勉強は同時に進めていくことが非常に重要になってきます。試験は難しくなる傾向にあって効率よく学習していくためには独学で頑張るのもいいですが、受験予備校に通ったり、通学の講座や通信教育を受けるのも非常に効果的に学習することができます。

保険受験とは?

1次試験に合格すると、2次試験を受けることができます。そして、1回の合格で、同じ年の2次試験と、その翌年の2次試験の2回チャンスをもらうことができます。

2回チャンスがあるのは、とても嬉しい事ですが、この2回で2次試験に合格しないと、また1次試験からやり直しになります。

1次試験は、2次試験の権利が残っていても受けることができます。その為、2次試験の権利があるうちに、翌年の2次試験の権利を獲得しておくのが、保険受験です。

保険受験のメリット

翌年の2次試験の権利も保有しているので、2次試験を受ける際の精神的負担が減ります。

保険受験のデメリット

1次試験の勉強と2次試験の勉強を並行して行わなければならなくなります。そして、1次試験の受験料も再度かかることになります。また、合格しても権利が増えるのは1回のみです。

二次試験

一次試験に合格した者は、二次試験の筆記試験を受験する権利を得られます。さらに、筆記試験を通過すれば口述試験を受験することができ、口述試験の合格をもって二次試験合格者および中小企業診断士試験合格者となります。

筆記試験

合格ラインは1次試験と同様、総得点の平均が60点以上で、1科目でも40点未満がないことです。

試験内容は、B5用紙2ページ半ほどに企業概要が書かれている与件文を読んで、経営戦略に関する設問の解答を方眼用紙の解答に記述していきます。2ページ半ほどの企業概要だけで、その企業の経営戦略を導き出さねばならないので、かなりのテクニックを必要とする試験になります。

令和4年度 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅰ 設問例

第1問(配点 20 点)
A 社が株式会社化(法人化)する以前において、同社の強みと弱みを 100 字以内で分析せよ。

第2問(配点 20 点)
A 社が新規就農者を獲得し定着させるために必要な施策について、中小企業診断士として 100 字以内で助言せよ。

第3問(配点 20 点)
A 社は大手中食業者とどのような取引関係を築いていくべきか、中小企業診断士として 100 字以内で助言せよ。

第4問(配点 40 点)
A 社の今後の戦略展開にあたって、以下の設問に答えよ。

(設問 1 )
A 社は今後の事業展開にあたり、どのような組織構造を構築すべきか、中小企業診断士として 50 字以内で助言せよ。

(設問 2 )
現経営者は、今後 5 年程度の期間で、後継者を中心とした組織体制にすることを検討している。その際、どのように権限委譲や人員配置を行っていくべきか、中小企業診断士として 100 字以内で助言せよ。

一般社団法人 中小企業診断協会 中小企業診断士試験問題


また、2次試験は、診断協会からの公式解答がありません。実際の経営コンサルティングでは、差別化した戦略・創造的な戦略を生み出していきますが、診断士の2次試験においてはオーソドックスな解答を心がけるのがポイントです。

中小企業診断士2次試験の試験科目は以下の通りです(各科目名をタップで解説ページに飛びます)。

全て試験時間は80分となっています。試験日数は一次試験と違い1日です。したがって80分の4事例を1日でこなすこととなり、合計の解答時間は320分(5時間20分)となる長丁場の試験となります。試験に向けて実力をつけておくことは当然ですが、エネルギーの補給や集中する時間の配分など試験当日の体力管理をうまくやらないことには、午後の事例Ⅲや最後の事例Ⅳの時間に頭が働かなくなる事態に陥ります。

従って、中小企業診断士二次試験には特有の試験戦術・戦略が必要となります。

基本的な解答の流れは2パターンあり、事例Ⅰ~Ⅲのパターンと事例Ⅳのパターンの2パターンがあります。

  • 事例Ⅰ 組織・人事|1次試験の企業経営理論と対応する科目です。組織体制・文化についての分析、権限委譲・部門化・階層化もしくは階層をなくす・コミュニケーション活性化などの組織活性化策、表彰制度・公正公平な評価基準の決定などの人事評価制度、成果主義や年功序列などの報酬制度、新卒や中途社員の採用と適正な人材の配置、OJT・Off-JT・研修などの人材育成策など、事例企業に関する組織・人事的なことについて問われます。
  • 事例Ⅱ マーケティング・流通|1次試験の企業経営理論と対応する科目です。どのようなニーズが存在していて、ターゲットは誰で、どんな製品(サービス)を提供するのか、どのようにして製品(サービス)を提供するのかなど、マーケティングの観点から行うべき助言について問われます。事例企業の事業概要を踏まえた上で具体的なマーケティング策の提示を求められるので、アイディア勝負に見えてアイディア勝負ではない問題が出題されるところが難しいところです。
  • 事例Ⅲ  生産・技術|1次試験の運営管理と対応する科目です。基本的に生産管理について問われるため、事例企業にはほぼ製造業が選ばれます。QCD(品質・コスト・納期)を念頭に置きながら、生産管理や生産統制、生産計画やCADデータなどの社内共有等システム改善、ECRSの原則・QC活動・5Sなどの作業改善、ベテラン作業者の高齢化に伴う若手への技術伝承などについて答えさせる問題で構成されています。特に弱みを多数抱えているパターンが多く、その弱みをすべて改善するストーリーがオーソドックスです。最終問題では事例企業のあるべき姿について問われることが多く、ここでは企業経営理論で学んだ経営戦略論の知識を駆使する必要があります。
  • 事例Ⅳ 財務・会計|1次試験の財務・会計と対応する科目です。1次試験と違い電卓の使用が許可されています。メモリー機能を使うことが多いので、メモリー機能の使い方は押さえておきましょう。他の事例と違い、企業概要の記述は1ページ分程度と短いです。その代わり設問文が長めになっています。出題内容としては、収益性・効率性・安全性の経営指標を用いた事例企業の経営分析、損益分岐点分析(CVP分析)、正味現在価値法・回収期間法を用いた投資の経済性分析、原価計算や最適セールスミックスの算出、DCF法を用いた企業価値算定などの問題が主に出題されます。最後には60字~100字程度で解答を作成する文章題が出題されます。オプション取引・為替予約などのデリバティブ取引についてがよくあるパターンですが、それ以外だとテーマに一貫性がなく、対策がかなり難しい問題です。全くわからない場合でもとにかく空欄にせず何か書くことが大事です。

口述試験

2次試験の筆記試験合格後にあるのが、口述試験です。
口述試験は、中小企業診断士として、経営者としっかり話ができるかどうかを確認するための試験で、落とす試験ではありません。とはいえ、合格率は100%ではありませんので、事前に準備しておくことが必要です。不合格者には不受験者もいますが、沈黙して何も答えられなかったりした人も不合格になっているようです。筆記試験の発表からおよそ1週間後に実施されるため、口述試験前の1週間は集中して口述試験対策を行いましょう。

口述試験の内容は、2~3人の面接官が筆記試験で出題された事例をもとにした質問に対し、口頭で解答する面接のような形式で行われます。事例4問のうち、2つの事例について、各2問、合計4つの質問に回答します。会場には、参考資料の持込が一切禁止されており筆記試験の問題を参照することはできませんので、筆記試験の事例をしっかりおさらいしておきましょう。

試験自体は、約10分間となっています。

対策としては、受験生同士で口述試験を想定して、質問しあったり、資格受験校が開催する口述対策セミナーを受けたり、声に出して練習してみるといいでしょう。

わからなくて沈黙してしまうことが非常に怖いですが、試験官の中小企業診断士の先生方もヒントをくれたりして助け舟を出してくれます。ですので受験する側としてはなんでも即答しなくても大丈夫です。問題が聞き取りにくかったら「すみません、うまく聞き取れませんでしたのでもう一度問題を教えていただいてよろしいでしょうか?」など聞き返してもOKです。まずは落ち着いて受け答えしましょう。

もしわからない問題が聞かれた場合に、「すみません、○○は不勉強で存じ上げませんが、もし××に関することでしたら■■だと思います」など、どうしてもわからない問題に対する受け答えを用意しておけば安心です。

中小企業診断士試験を攻略するために

中小企業診断士試験を攻略するにあたってまず検討することが、独学で勉強するのか、学校を活用して勉強するのかです。どちらの手段を選択するかによってその後の試験戦略は大きく変わってきます。

独学で中小企業診断士を目指すメリット・デメリット

独学で中小企業診断士を目指すメリットとしては

  • 必要なものが市販のテキスト代くらいなので、費用が少なくて済む
  • 学校に通学する時間・労力がなくなる
  • 資格の学校がない地方でも勉強できる

デメリットとしては

  • 試験までの無理なく網羅できる学習スケジュールが組めず、途中で頓挫する
  • 途中の目標がないためモチベーションが最後まで保てない
  • テキスト内容の重要度を見定めることができず、学習範囲を絞れずに非効率になる
  • 教材の質の良し悪しを判別できず、最適な教材を選べない
  • わからない点を質問できない

今ではオンライン専門の資格学校がいくつもあり自宅で学校の授業が受けられるため、独学するメリットはますます少なくなっています。受講費用がどうしても工面できない方は独学しかありませんが、中小企業診断士のような学習期間が長期にわたる資格試験ならば資格の学校を活用した方がいいかもしれません。また、定期的な目標を作るために資格の学校の模擬試験を受けるのも有効な手です。

資格の学校で中小企業診断士を目指すメリット・デメリット

資格の学校で中小企業診断士を目指すメリットは

  • 学習効率の高いカリキュラムが組まれており、効率の良い勉強ができる
  • 講義・配信スケジュール通りに勉強を進めればよく、自分でスケジュールを組む必要がない
  • 定期的にテストが開催されるため、目標を持って学習を進められモチベーションが保ちやすい
  • テキスト内容の重要度に応じて講義に強弱をつけてくれるので、学習範囲を絞れる
  • 学習に最適な教材がすでに用意されている
  • わからないことがあったら講師に質問できる
  • 周りに受講生がいるため、刺激になったり情報交換できたりする

デメリットとしては

  • 受講料がかかる
  • 学校に通う時間・労力がかかる
  • 学校がない地方在住の方はそもそも通学できない

受験予備校は日本全国にあります。ネットなどで紹介されている学校を調べて自分が可能な範囲内で利用してみることも合格の近道になります。これらの予備校では診断士になるためのカリキュラムを組んで受験対策の授業を行っていますので、効率的な受験の対策を行うことができます。

また、最近ではオンライン配信専門の予備校がいくつもあり、通学の手間の省力化や予備校が遠い方でも自宅で学習できる環境が整えられます。費用面も、校舎の地代や多くの講師を抱える必要がないこともありリーズナブルになっていることが多いです。オンラインの学校はうまく活用すれば「独学と通学のいいとこどり」ができます。独学を検討の方、通学を検討の方も、オンラインの学校について一度調べてみることをおすすめします。

中小企業診断士になる別の道

中小企業診断士になるもう一つの道として、「中小企業診断士養成課程」を修了する方法があります。

中小企業診断士養成課程は様々な機関で開催されており、開催元によって修了までの費用・期間が違ったり、他の資格も同時に取れたりします。

養成課程を実施している機関は「養成課程実施機関」と「登録養成課程実施機関」があります。

養成課程実施機関

機関名HP電話番号
独立行政法人中小企業基盤整備機構中小企業大学校東京校https://www.smrj.go.jp/institute/tokyo/index.html042-565-1270
養成課程実施機関

中小企業総合事業団中小企業大学校が行う、一年間の中小企業診断士養成課程を修了する方法があります。
この養成課程は四月から翌年三月までと十月から翌年九月までのコースがあり、それぞれ100人ずつ募集を行っています。この学校に入学するには年齢制限などはなく次の条件を満たしていればだれでも受験することが可能です。

大学卒業程度の学力を有していて、心身ともに健全で一年間の研修を遂行できると判断できる人で、実務経験があり、簿記、会計、情報にかかわる基礎知識がある人はこの学校の、入学試験を受けることが可能になっています。応募者数は公表はしていませんが倍率は二倍程度になっています。このような学校で研修を行って国家資格を受験する人も多くいます。

参考までに2023年度3月実施の第39期生(募集定員80名)募集要項から一部抜粋しますと

  • 応募条件
    • 開講⽇時点で企業等への就業経験(業種・職種・雇⽤形態は問いません)を通算して概ね2年以上有し、社会⼈として基本的な常識、マナーを有すると判断できる⽅
    • 第1次試験の⼀部の「科⽬合格」では応募要件となりません。第1次試験の「試験合格者」が本養成課程の応募対象者となります。
    • 本養成課程と第2次試験は併願できますが、第2次試験の合格者は養成課程の趣旨に鑑み受け⼊れておりません。仮に併願されている⽅が第2次試験に合格された場合には、その時点で本校養成課程の受験・受講を辞退していただきます。
  • 受付手数料
    • 5,000円(税込)
  • 応募書類
    応募書類(下記⑦⑧を除く)は当校のホームページからダウンロードした電⼦データに直接入力して各1部作成してください。手書きの書類は失格とします。
    • ① 受講申込書
    • ② 推薦書(機関派遣で申込む⽅については、派遣元機関から提出していただきます)
    • ③ 履歴書(写真貼付)
    • ④ ⾝上書
    • ⑤ 審査資料(⼩論⽂・原稿⽤紙2枚以内)
    • ⑥ 受付票・⾯接票・写真票(写真貼付)・返信⽤ラベル
    • ⑦ 第1次試験合格証書のコピー(受講決定時は原本を提出)
    • ⑧ 受付⼿数料を振り込んだことを証する書⾯
  • 応募書類の送付
    • ①送付先 〒207-8515
      東京都東大和市桜が丘2-137-5
      中小企業大学校東京校 支援研修課 養成課程担当
      電話 042-565-1273 FAX 042-590-2686
    • ②封筒
      • 角2サイズ(240mm×332mm)の封筒へ書類を折り曲げずに封入してください。
      • 封筒の表左隅に、「診断士養成課程申込書類在中」と朱書きしてください。
  • 書類の受付期間
    • 2022 年 9 ⽉ 12 ⽇(月)〜 9 ⽉ 26 ⽇(月)消印有効
  • 書面審査
    • ①応募の際に下記テーマに基づき作成した800字以内の小論文を提出していただきます。
      • 〔第 39 期審査テーマ〕
        あなたは、当校の中小企業診断士養成課程において、どのような姿勢で、何を学び、他の受講生とはどのような関係を築いていきたいと考えていますか。そして、養成課程修了後、中小企業診断士として、あなたの活動するエリアの地域社会にどのように貢献し、中小企業・小規模事業者を支援していきたいと考えていますか。それぞれについて、ご自身の体験やパーソナリティ、昨今の経済社会情勢の変化等を踏まえて、具体的に記述してください。400 字詰め原稿⽤紙を2枚使ってそれぞれ具体的に記述してください。
    • ②提出された⼩論⽂は、東京校に設置した受⼊審査委員会において当養成課程の実施⽬的や書⾯審査基準に基づいて評価・選考を⾏い、書⾯審査合格者を⾯接対象者として決定します。
  • 面接審査
    • ①面接審査実施方法
      面接対象者に、東京校内にて面接審査を実施し、その結果を受入審査委員会において審査を行い、面接審査に合格した方を受講決定者といたします。
    • ②健康診断書について
      面接審査資料となりますので、11月18日( 金 )までに提出する必要があります。医療機関にて健康診断を受診し健康診断書の作成を依頼してください。なお、募集締切後に当校ホームページに掲載される健康診断書または面接決定通知書郵送時( 11月9日( 水 )送付 )に同封される当校指定の健康診断書を使用してください。
  • 面接対象者の発表
    • ①発表⽇時:2022年11⽉9⽇(水)14:00(予定)
    • ②発表⽅法:面接対象者の受付番号を当校のホームページに掲載します。
  • 受講決定者の発表
    • ① 発表⽇時:2022年12⽉21⽇(水)14:00(予定)
    • ② 発表方法:受講決定者及び補欠者の受付番号を当校のホームページに掲載します。
  • 受講料
    • 2,343,000円(税込)
中小企業基盤整備機構 中小企業大学校東京校 中小企業診断士養成課程 第39期生募集要項

養成課程実施機関を利用して中小企業診断士になるメリットは

  • 難関である2次試験を免除して、修了後すぐに中小企業診断士として登録できる
  • 理論だけでなく実践的な研修で、実務能力を身に付けられる
  • 同期生や講師とのつながりができる

といったものがあり、登録後すぐにでも独立したい方には適しています。

しかしデメリットとしては

  • 受講料・実習に伴う経費・入寮に伴う経費がかかるため、総額300万円程度の大変大きな出費が伴う
  • 昼間に演習・実習があり実習以外の時間でも学習や準備に時間を割かれるため、仕事を長期休職するか退職(学生ならば休学や退学)しないと受講が難しい
  • 中小企業大学校東京校でしか実施されていない

といったものがあり、かなりの覚悟が必要となるでしょう。

登録養成課程実施機関

機関名HP電話番号
法政大学https://www.im.i.hosei.ac.jp/03-3264-4341
公益財団法人日本生産性本部https://www.jpc-net.jp/consulting/course/sme/03-3409-1129
株式会社日本マンパワーhttps://www.nipponmanpower.co.jp/03-5294-5040
栗本学園(名古屋商科大学)https://mba.nucba.ac.jp/052-203-8111
一般社団法人中部産業連盟https://www.chusanren.or.jp/052-931-5123
東洋大学https://www.toyo.ac.jp/ja-JP/academics/gs/mba/finance/03-3945-7250
千葉学園(千葉商科大学)https://www.cuc.ac.jp/dpt_grad_sch/graduate_sch/master_prog/smec/index.html047-373-9755
兵庫県立大学https://www.u-hyogo.ac.jp/mba/078-794-5209
城西国際大学https://www.jiu.ac.jp/graduate/management/smec/03-6238-1050
一般社団法人福岡県中小企業診断士協会https://smec-yousei.jp/092-710-7790
札幌商工会議所https://shindanshi-yousei.jp/011-261-6515
日本工業大学https://mot.nit.ac.jp/course/enterprises/katei03-3511-7591
大阪経済大学https://www.osaka-ue.ac.jp/life/chushoukigyoushindanshi/06-6328-2431
関西学院大学https://iba.kwansei.ac.jp/0798-54-6572
登録養成課程実施機関

上記の登録養成課程実施機関のカリキュラムを修了する方法もあります。受講期間や費用は実施機関ごとに違い、機関によっては修了と同時にMBAを取得できるところや、受講日が夜間と休日のみで働きながら(通学しながら)受講できるところもあります。詳しくは各機関の募集要項を参照してください。

中小企業診断士の試験についてよくある質問

試験の日程の発表時期は?

毎年4月ごろに発表されます。試験実施機関である一般社団法人 中小企業診断協会のHPを確認しましょう。

試験はどこで実施していますか?

一次試験は、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡・那覇の8地区で実施されます。二次試験は札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡の7地区で実施されます。試験直前になると会場周辺の宿泊施設の予約が取りにくくなります。試験開催地から遠方に在住している方は、受験票が届き次第自分の受験会場を確認し、宿泊施設を押さえておきましょう。

試験案内・申込書はどうやって入手できますか?

試験案内・申込書は、試験実施地区ならびに中小企業診断協会で配布されます。試験実施地区の協会所在地はこちらからリンクしています(試験実施地区以外の地区の協会では配布されていません)。また、東京地区では凸版印刷株式会社総合受付でも配布されています。郵送による請求も可能です。郵送による請求方法は中小企業診断協会のHPからご参照ください。尚、中小企業診断士コースがある学校で一定数確保しているケースもありますので、中小企業診断士の学校に通学されている方は窓口で問い合わせてみるとよいでしょう。

試験会場は選べますか?

選べません。同じ受験地区であっても複数の受験会場がある場合があります。どの会場になったかは受験申込後に送付される受験票で確認しておきましょう。

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